マリオットマーキーズ整備ブログをご覧いただきありがとうございます。
本日ご紹介するのはベンツEクラス(W212 E350)ブルーテックのオイル漏れ修理です。
オイル漏れでご入庫いただきました。
ブルーテックとはクリーンディーゼルの名称で、この車両にはディーゼルエンジンが搭載されています。
このエンジンは環境にも良く、高性能ではあるのですがガソリンエンジンに比べて部品点数が多くなり、何か部品交換を行う際に作業が大変になることが多いです。
それでは早速点検していきます。
リフトアップを行いアンダーカバーを外すと、すごい量のオイルが漏れており、エンジン後ろ側のエンジンとミッションの繋ぎ目とスターター裏辺りからオイルが漏れてきているのがわかりました。
ブルーテックのエンジンは定番のオイル漏れが二箇所あり、今回の車両ではその二箇所どちらからもオイル漏れが起きていました。
まずはリアクランクシールです。
マフラー、プロペラシャフトなどを外してミッションを下ろします。
その後、ドライブプレートを外すとリアクランクシールが確認できます。
予想通りリアクランクシールからオイルが漏れています。
こちらが新しいリアクランクシールで、古いものから対策されて形状が変わっています。
続いてスターター裏からのオイル漏れですが、こちらはエンジンVバンク間のオイルクーラーからのオイル漏れが原因で、オイルクーラーから漏れたオイルがバンク内の排出口から流れ出てきています。
このようにスターターを外すとわかりやすいです。
この場合、オイルクーラーのガスケットを交換する必要があります。
オイルクーラーにアクセスするにはエキゾーストパイプ、タービン、インテークポート等様々な部品を取り外す為、作業にはとても時間が必要になります。
この長方形の箱みたいなものがオイル漏れを起こしているオイルクーラーです。
オイルクーラーの周りにオイルが溜まっているのがわかると思います。
こちらがオイルクーラーのガスケットで、劣化でガスケットが硬化し、痩せていました。
エンジンのVバンク内は、熱がこもる場所なのでガスケット類が劣化しやすく、車両によってはこのようにオイル漏れを起こすことがあります。
組み付けは逆の手順で行い、オイルが付着している部品もあるので清掃しながら組み付けていきました。
組み付け後、念入りに試運転を行って問題がありませんでしたので作業完了となります。
W212ブルーテックではオイルクーラーのオイル漏れを放置してしまうと、クーラー上にあるインテークポートのシャットオフモーターもオイルが付着して故障してしまう可能性があります。その場合、吸入空気量を制御しているモーターですので、エンジンストールやアクセルを踏んでも加速できないといった症状がでます。
ですので、今回の車両に限らずオイル漏れが起きた場合は他のパーツにも不具合がでる可能性がある為、早期修理をおすすめ致します。